新企画:『アフターコロナでの戦略総務』コーナー

【第8回】テレワークセンターで主導権。
         戦略総務のチャンスとして
 
           FOSC 副代表理事 クレイグ・カックス

FOSC副代表理事 クレイグ・カックス氏

テレワークセンターで支援

「場」作くりは総務の領域の中でも重要なことの一つです。会社の社員が働く全ての「場」は、総務が提供しています。「場」を提供する上で心掛けることは、安全性、生産性、社員満足などです。今回の新型コロナでは会社という「場」に来ることができない社員の皆さんは、テレワークという形で家から仕事をしなければならなくなっています。

 このように社員が家で仕事をするような場合、それは総務の領域ではないと思うかもしれませんが、社員が仕事をする「場」は、全て総務の領域になります。このように考えることは、日本では新しいかもしれませんが、テレワークが進んでいる海外では、総務が普通にテレワークの支援を行なっています。

 社員が会社以外のところでも、生産性のある仕事できるように、どのようにサポートすればよいかを総務が考えます。この新型コロナへの対応を通して、テレワーク支援センター(テレワークセンター)という新しい総務機能が必要になってきました。

 また、この新しい機能は新型コロナによるパンデミックの期間中だけではなく、アフターコロナでもテレワークを支援する重要な機能となります。もしいまだにテレワークセンターのような機能に取り組み始めていないとすると、テレワークに必要なノウハウを蓄積しないままに、このパンデミックが終わってしまい、せっかくの働き方改革のチャンスを無駄にすることになってしまいます。

 

総務のMY職場

今回のように、社員が家から働いているとしても、総務には今までと同じように、会社に来なければできない業務が幾つかあります。警備には施設がある限りそれを守る責任がありますし、郵便などの配達物は毎日のように会社に届けられますので、メール業務も対応していかなければなりません。他にも会社での申請業務や清掃業務等も、実際に会社に来ないとできません。

 このような会社でなければできない業務を担当している総務のメンバーは、毎日の通勤で、自分の安全を危険にさらすリスクを取りながらも会社に来ています。オフィス環境をつくり、そしてそのオフィスに最初に入るのが総務であり、最後に鍵をかけて帰るのも総務です。自分が提供している「場」が自分の責任であり、MY職場なのです。

 私の知人のある女性は、SARSのパンデミックが香港で起きた時に、ある病院の総務責任者でした。そして、その病院はさまざまな理由から、周辺のSARS患者を収容するSARS専用の病院になるという、思いもかけない状況になりました。

 彼女は自分のスタッフを集め次のように言いました。「私はSARSの患者をケアするためにこの病院の機能を守らなければなりません。ここに居続けることは非常に危ない仕事になります。ですからここで仕事をしたくないメンバーがいたら、どうぞ今すぐに帰ってください。私はこのパンデミックが終わるまでこの病院から動きません。この私の病院はたくさんの命を救う重要な施設ですので、私は最後まで見届けます。」この事例のようなことがすべてに当てはまるわけではありませんが、このスピリット(精神)が総務のあるべき姿だと私は思っています。

 

テレワークセンターの役割

総務は会社の成功に貢献するためにあります。今回、日本中で実施されているテレワークという取り組みを、コロナパンデミックの期間中だけではなく、パンデミックが終息後も継続していくことが、これからの働き方改革には重要なことであると、さまざまなところで話が出てきています。

 また、コロナパンデミックの期間中に家でも働くことができるということを経験した社員の皆さんは、パンデミックが終息した後もそれを希望するようになるでしょう。会社の生産性を上げ、併せて社員のモティベーションも上がるような環境をつくることは総務の大切な役割です。そのことはテレワークにおいても変わりません。

 テレワーク文化を支援するために、総務の新しい業務として、テレワークセンターという取り組みがあります。テレワークセンターとは、家で働いている社員をサポートするために設けられる機能です。例えば、このような緊急事態宣言がある中で、書類に印鑑を押してもらうためだけにわざわざ会社に来ることはリスクがありますので、できるだけ会社に来なくてもよい仕組みを、テレワークセンターが考えていかなければなりません。

 もしこのような緊急事態宣言の中でも、オフィスに社員を見かけたときには、なぜその社員がオフィスに居なければならないのかを知るようにしてみてください。もしかするとテレワークセンターとして支援できることが見えてくるかもしれません。そのようにサービス内容を充実していくことで、社員の皆さんの生産性が上がると伴に、社員の安全性も向上していくことでしょう。

 テレワークとして家で仕事をする社員には、新たに向き合っていかなければならないことが幾つかあります。例えば、その代表的なこととして、理由が分からない体の疲れ、会社にいないことの不安(孤独感)、精神的負担、気が散って集中できない、などがあります。社員が家で働く場合に、どのようなことに向き合っているかを経営陣に説明して、理解してもらうことも総務の役割です。具体的に次のような役割があります。

 

役割1. 安全な環境

テレワークという在宅での勤務であっても、社員の働く環境は安全でなければなりません。安全に仕事ができていることを確認する必要があります。なお、ここで言っている安全とは、長時間にわたって正しい姿勢で仕事ができていること、感染しない環境にいること、ストレスが多い環境でないこと、などのようなことになります。

 

役割2. 物理的業務を継続する

いつもの仕事を在宅でも継続できるようにするためには、必要な書類や情報等が使えるようになっていることが必要です。また、インターネットの環境がスムースに使える状態であることと、テレワークに必要なテクノロジーが活用できるようになっていることが必要となります。今までのようにオフィスに集まることを前提とした会社の仕組みでは、これらのテレワークの要件を意識せずにポリシーを作っていますので、早急に見直しの必要が出てくるでしょう。

 

役割3. 会社に来る理由をなくす

テレワークを支援するためには、社員が押印や印刷、あるいは資料を取りに来るなどのために、会社に来なくてもよいようにする仕組みを取り入れる必要があります。社員が会社に来る理由を把握して、わざわざ会社に来ることが必要でなくなるような体制を造ることが必要でしょう。アフターコロナも過去の働き方に戻らないように、テレワークが会社の生産性に貢献していることを支援します。

 

役割4. 家での仕事をサポート

ポリシー:前述の説明にあったとおり、アフターコロナでも会社の中でテレワークが進展していくようにするためには、多くのポリシーの見直しが必要になりますし、今までなかったポリシーも必要になります。従来の公私混同を無くすアプローチから、公私win-win思考を取り入れなければなりません。

 また、世界のテレワークポリシーは、基本的に時給という考え方はありません。最近ではどちらかといえば年俸制の社員が昔に比べて増えてきています。家で7時間半という決められた時間を働かなければいけない環境にはかなり無理があるでしょう。もし管理するとすれば、1週間単位の成果を管理するような仕組みが必要です。

 

備品や消耗品:従来であれば、家には仕事で必要な備品が準備されていないでしょう。椅子や机などは会社から支給する必要はないでしょうが、膝上テーブル(¥3,000)やクッションなどは支給を検討してもよいかもしれません。また、文房具やプリンターのインクなどの消耗品も会社で負担していくようにした方がよいでしょう。

 

役割5. テクノロジー導入

今回の新型コロナパンデミックでテレワークをやむを得ず取り入れた会社では、テレワークをするためのインフラが十分に整っていない状態でテレワークを始めていることだと思います。今後もテレワークを続けていくためには、インフラを整備していくことが必要になりますが、インフラの整備については、通常ではITを担当している部門が行うことになります。

 しかし、インフラの整備と同様に、社員がテレワークで使うテクノロジーを整備することも必要となります。そのテクノロジーとはアプリやソフトウェア等であり、今まで会社では特に必要でないために導入されていないものです。例えば、代表的なものとしては多くの会社で使い始めているZoomのようなインターネット会議ソフトなどがあります。

 他にもグループソフト(Slack, Teams, など)やプロジェクトマネジメントソフト、あるいはヘルプデスクソフトなど、さまざまなソフトがあり、それらを活用することで生産性を向上していくことができるようになります。なお、これらのソフトの導入はいわゆるIT部門が行うのではなく、会社の文化の担い手として総務が推進していくものになります。

 テレワークセンターの機能として、テレワークしている社員一人ひとりとつながりを持ち、その環境を最も理解して状況を確認できるのは、テレワークセンターにいる総務の人間になります。テレワークテクノロジー戦略をITと一緒に進めていくことは、総務が会社でリーダーシップを発揮する戦略総務になっていく素晴らしいチャンスであると言えるでしょう。

【第7回】コロナにより変化した社会。
        私たちに求められていること

                          FOSC理事 足立 寿通

FOSC理事 足立  寿通  氏

“現状”から“あるべき姿”へ

新型コロナウィルスの流行は、感染症が社会や経済に大きな影響を与えたことは言うまでもありませんが、総務の立場にたった時、さらに俯瞰的な位置から、今後の世界や社会をしっかり見据えていく必要があると考えています。

 つまり、今回をきっかけに、起きたことから社会や会社のあり方、本質に迫る必要があるのではないかと思ってます。そこで本コラムでは、これらの視点から、F Mクレドの考え方である “現状”から“あるべき姿”を踏まえ、まずは今起きていることから整理していくこととします。

 

これまでに起きていること(現状:5月上旬現在)

これまでに起きたこととしては、新型コロナウィルスという物理的なウィルスが発端となり、コロナに関する様々な情報が蔓延。その後は、感染者が増加するに伴い、社会全体に様々な情報から不安が広がり、これまで経験がない活動の自粛まで及びました。

 このことは、事実として、これまで当たり前と思われていた社会の営みや活動が、否定されることとなりました。そして、総務部門に対しては、この想定外の事態を受け、まずは現状の把握とともに、正しい情報の把握や規制(自粛や変化)を踏まえた仕事のあり方、そして一国民としての行動が求められるところとなりました。

 そこで今後、総務部門として、何が必要かを考えていくためには、短期的な視点と長期的な視点を同時に進めていく必要があります。

 

短期的な視点

これまでの現状から、大きな社会状況として、次の3つが挙げられます。

・様々な情報の蔓延(インフォデミック)

・自粛など、外的要因による経済活動の停止

・経済活動の変化

 

1点目の情報については、コロナウィルスという正しい答えがない未知なものに対し、わかりうる範囲での判断や説明が求められます。また2点目の経済活動の停止については、自粛などを行う中で、飲食業のテイクアウトへの転換など、3点目の経済活動の変化が起こっています。

 これらをもとに、総務に関わる身近な視点としては、「ソーシャルディスタンス」、「リモートワーク」、「個人のストレスマネジメント/コントロール」が重要となります。

 私自身の職場においても、リモートワークの導入や、感染拡大時の業務継続性を踏まえた2交代制の導入など、相互のチームの接触がなくなることによる、コミュニケーション不足や一体感の必要性から、zoomやslack、lineなど、コミュニケーション・ツールを活用した職場意識の共有化が、わずか1ヶ月という短期間で進みました。

 このことは、決してテクノロジーの導入ありきではなく、職場を取り巻く環境の変化に応じた、強制的な変化であったもので、今後も、長期的に、外的要因から強制を余儀なくされる場面もあることが予想されます。

 

中長期な視点

一方、欧米では、多くの国々で感染のピークを迎える中(5月上旬現在)、新たな時代の模索が始まっており、ニューノーマルの時代が来ると言われています

 アフターコロナを考えるにあたっては、“withコロナ”が前提で、共存を図りながら身を置く社会のあり方の議論が始まっています。その結果、これまで非常識であったことが常識となり、常識であったことが非常識になることも考えられます。

 その上で、今後の働き方や必要な人材を考えると、これまで方向性が定まった社会の中で、広く培われてきた知識のコピペや、フレームに縛られたやり方を繰り広げる論評的な人材は必要なくなり、波のように押し寄せる、変わり続ける社会に対し、試行錯誤で実践と検証を続ける、「気づき → 考える」人材が必要となるのではないでしょうか。

 

“総務の世界”の視点

このような中、総務の世界においても、3密が人々の意識下に止まり続けることを考えると、今後は、オフィスの例1つとっても、人が集まる島型などのオフィス形態が良いのか、会議室の場合は密室で良いのか等が問われることになります。

 さらに大きな視点で考えると、気密性が叫ばれてきた建物自体も、反対の方向に行くのではないか。そうなると建物構造や空調の分野でも大きな変化が起こりそうにも感じます。

また、今回の強制的なリモートワークの結果、今後は、働き方自体、事務所に通うのではなく、各人が分散して働く中で、どう組織としてのコミュニケーションやアイデアを醸成していくのか、このような問いかけ → 気づき → 新たな課題の抽出(リフレーミング)そして、これまでの問題解決(ソリューション)→ 試行実験 → 検証 → 改善、さらに次の次元への問いかけへと循環していく思考が必要となるのではないでしょうか。

 

今、準備しておかなければならないこと

このような会社が今後予想される中で、私たちが今しておくべきことは、

・自ら気づき、考える力を育む

・自分の特性にさらに磨きをかける

・1人でも共感する仲間を育む

ことが必要で、リモートワークなど目先だけの議論にとどまらず、中長期的な働き方、生き方、そして人との関係性など、会社のあり方そのものを考え、総務自らが新たな会社の文化を創造するクリエーターとなる必要があります。

 

今後の総務実践者として

今後の総務に要求されることとしては、これまでの事例をそのまま導入するのではなく、社会状況やテクノロジー、生き方/働き方を踏まえて、自社の文化をどう構築していくか、その本質を見据えながら、新たな課題を再定義し、それを考え実践するプロトタイプ的思考(試作的思考)を進めていく力が必要と考えます。

 また、過去の経験則についても、今後、ニューノーマルな時代の到来を考えると、継承するものとしないものを仕分けし、新たな考え方も取り入れる能力が必要となります。

 

最後に

現在、F O S Cの仲間の間では、これらの能力をみんなで探究していくために、マインドから日常的に考えることの習慣化を、一緒になって取り組んでいます。コロナのお陰でみんなが成長し、社会に貢献できるようになったと言えるよう、新たにオンライン支部会を開催し、日々鍛錬を続けています。

 

今では、少しずつ思考が変わり始めていることを実感しているところです。今後、みなさんと一生懸命に切磋琢磨したい方、一緒に取り組んでみませんか!

【第6回】Withコロナを乗り超える
                      戦略総務のモチベーション

                FOSC副代表理事 井上 英夫

FOSCF副代表理事(関西地区担当)
井 上 英 夫 氏

バイアスの払拭

津波が来るぞ! 叫びながら高台に向かって走る「津波てんでんこ」をご存知でしょうか? 歴史的に津波経験の多い三陸地方に、古くから伝わる津波避難の率先行動のことです。そんなこと今まで起こってない、自分だけは大丈夫、まだ時間はある、など最悪を想像できない(正常時バイアスに固まっている)人が多い中、真っ先に気付いた人が、自らの行動で示して他の人の行動を促すことです。

 言い換えれば、この行動は、自助を超えた共助の行動だと思います。うつらない、うつさないと重なると思いませんか? 人として個人の行動が問われています。率先するのは、社内外にわたり一番多くの部門・関係先とコミュニケーションしている総務の皆さんです。

 

今できることをすべてやる

例えば、自社の支店で、いまだにトイレのハンドドライヤーを放置しているビルはないでしょうか? 利用者が不安に感じる事のサーベイは継続的にできているか? ヘルプデスクの設置、委託しているクリーンメンテナンス会社に対して、COVID-19対策メニューの提案要請や、具体的な追加タスク要請、そして必要な追加費用の予算確保に動けているだろうか? 

 当然ながら、年間予算の制約はあるものの、自分事として自分の頭で考えて、中止や先送りできる予算を財源とする。暗中模索でも、失敗も覚悟して、利用者ユーザーに向かい、試行錯誤を恐れず、信頼につなげて行きましょう。

 

今、求められる視点

皆さんは、これまで自然災害を始めとする、様々なリスクマネジメントの先頭に立って対応されてきましたが、今回は新たな手法やアプローチを、思い切って実行してみることを意識しなければなりません。

 端的に言えば、自然災害は、減災の備えを尽くし、発災した時が極大被害で、その後回復していきます。環境汚染・有害物対策は、潜在的なリスクを明らかにし、未然に除去浄化する。しかし感染症は、ほとんど備えがないまま、顕在化したときからどんどん拡大し、終息には長時間を要して、先が見えません。

ですから、アンパンマンとバイキンマンは、永遠に続くであろう人類vsバイ菌の戦いの象徴とか。SDGsの3.3に、感染症は人類共通の2030年目標として掲げられています。

 ビジネスの視点として3つの視点、鳥の目(全体)、虫の目(多面的)、魚の目(トレンド)がありますが、4つ目の視点があるのをご存じでしょうか? 

それはコウモリの目です。従来の固定観念を廃して、物事をゼロベースで考えてみる、反対側から発想してみることですが、現在の新型コロナウィルスが、コウモリに媒介されている可能性があると言われていることから、極めて皮肉な例えに、聞こえるかもしれません。しかし経験したことのない対応には新しい視点が必要です。

 

コウモリの目で、MeGAKAサイクルを逆に回してみよう

クレイグのFMクレド講座で学んだMeGAKAのマネジメントサイクル(下図の左)は、本来ほとんどのリスクに通用する①⇒⑤へ時計回りのマネジメントです。これを逆転のアプローチに変えて、まず行動し走りながら考える下記の⑤⇒①の逆回りAKAGMe(下図の右)としてはいかがでしょう。スピードと臨機応変の対応が可能となると思います。

 

Action : 試行錯誤もあるが、迅速な施策実行とフィードバック・修正

Kaizen Plan : 緊急施策・計画のマイルストーン設定

Alignment : 経営戦略、事業戦略と同期し経営層・緊急対策本部とコミュニケーション

Goa l: 当面の達成目標とあるべき姿を描く、Afterコロナへのテーマ目標設定

{C}   {C}Measure : 残存課題を審らかにする全社調査、ワークスタイル変容を継続監視する

・・・そして次サイクルのスタート ⑤修正又は新Actionへ 

護るもの、第1は人

第2,第3が無くて第4に事業継続。ともすれば、人が大事と言いながら、事業優先やコスト渋りなど、逆になりがちなのがリスク対策の不都合な真実です。

 すでにほとんどの企業で経営トップを委員長とする全社委員会(緊急対策本部)、が組織されているでしょう。全社方針は機敏な見直しで、刻々と修正進化させていくことが重要です。FOSCが持つ社外ネットワークの力で悩みや事例を共有し、多様なインプットを駆使して、基準・施策・仕組みづくりを定着させていく力、長く取り組むことになるウィルス対応は言わばDiversity & Inclusionの一面があるように思います。

 企業のマイナスを少なくし、社員のエンゲージメントを高めることで、会社経営に貢献する「もう一つの競争力」と言えるのではないでしょうか。ここでは各部門の「分担と共有」が必要で、周囲から言われて動く総務ではなく、主要メンバーとして、経営層に提言をし続ける戦略総務が求められます。

 

オフィスに1日も出勤しない

これは2年前の大阪地下鉄の某産業大学の入試募集広告のキャッチコピーです。「そんな働き方が当たり前になっていく、働き方改革のその先を考える〇〇大学」。その年の大阪クレド講座プレゼンで、ゼロベース事例として引用しました。図らずも、出勤できないコロナ・ナウを予言したかのようです。

 就社ではなく、真の就職。個人の価値が企業の価値を超えるのは、この今かもしれません。制約の少ないフリーランスの私は2月末以来、ほとんど外出仕事がありませんが、仕事の停滞や大きな低下はゼロです。

 数年前からコンサルパートナーと、Video会議やDropBox利用のテレワークが定着していたおかげです。高齢者の私でも、生産性が高く安全安心なワークスタイルで仕事も増えています。某市役所では、あえて個人のスマホやPCを使いZoomミーティングで在宅チームメンバーとのコミュニケーションを深めています。セキュリティ問題を乗り越え、多様なテレワークにトライできるチャンスです。

 

「密やかな誇りと喜び」を感じるモチベーションの保ち方

平時でも、非常時でも、いつも戦略総務人間は必要な人です。今までの定型業務になかった課題や、他の部門での業務分掌にないものは、当たり前のように安易に総務部門に回ってきます。総務の宿命みたいなもので、なんでも回ってくる。

 しかし、にっこり微笑んで、涼しい顔で行動する、表面的な評価を気にせず、その代わり関係者を巻き込み、指示を出すし、予算ももらう。「難しい仕事ほど面白い!」と言って成果を出せる人が戦略総務です。

 

この困難な状況で、戦略総務を目指して日々ご尽力されている皆さんに、敬意と感謝を申し上げます。皆さんの高いモチベーションを、「密やかな誇りと喜び」に変えて活躍され、いつかは過ぎるその先にあるアフターコロナを迎えられるように、期待とともにエールを送ります。

【第5回】Afterコロナ、二極分化の世の中へ

                        FOSC理事 岸森克臣

FOSC理事兼大阪支部長 岸森 克臣 氏

私の現状

一企業人として、この状況に居合わせた者の考えを述べさせていただきます。今回、新型コロナウイルス感染防止のため、慌ててテレワーク(=在宅勤務)に踏み切った企業も多いと思います。私の現在の勤務先も例にもれず、大阪府に対する緊急事態宣言を受け、翌日からテレワークとなりました。

幸いなことにというか、名古屋にある本社からすると大阪オフィスは、小規模な事務所のため、独自のサーバーなどを設置せず、本社とSSL通信を行っていました。ですから、自宅でも会社のPCを持ち帰ってプライベートなネットに接続すれば、すぐに仕事が始められる環境でした。

 また、本社サーバーは容量制限が厳しいため、作成したファイルはプロセスも含めて、自身のPCに入れ、最終版のコピーのみを本社へ送っていたので、作業的にも急に決まった翌日からのテレワーク移行に支障はありませんでした。

 実際にテレワークを始めると快適そのもの。東京ほどではありませんが、大阪で1番混んでいるであろう地下鉄御堂筋線の梅田-本町間を通う必要もなく、と言うことは無駄な体力の浪費やストレスもなく、PCを開いた瞬間、仕事を始められます。

 職種は営業ですので、本来は人と会ってモノを売り込む訳ですから、根幹の機能が1つ麻痺している事は確かですが、元々販売は販売会社が請け負っており、その企画をするのが8~9割でしたから大きな支障はありませんでした。

 

昭和世代のおじさん達は

周りの様子は? と見てみると、生産ラインを持つメーカーで、まずライン作業は労働集約型なのでテレワークは無理です。仕入先、特に昨今では調達先はグローバルに広がっていますので、これらの状況を把握し生産計画をリアルに変更していく現場直結の管理も、テレワークは厳しいかも知れません。

管理部門はどうか? どちらかと言えば、工場部門が出ているからと言う忖度出勤や、ワークフローが整っていない(と思っている)からと言う、ハンコ押し出勤が、特に上層部に見られます。大物を作るメーカーは工場も大規模で、その分車でしか通えない辺鄙な所にあるため、濃厚接触の機会は少ないからかも知れませんが・・・

「命には代えられないから、在宅勤務をさせているが、どうせ何もしていないで休みと一緒だろう。」と発言した役員もいます。こう言う人たちの割合が、Afterコロナの働き方を変えられるか否かにかかわってくるのではないかと想像しています。

 

この後どうなる

つまり、テレワークのメリット・デメリットの受け止め方(=今後の取入れ度合い)は、二極分化していくのではないでしょうか。片や、今回の言ってみれば、強制的に訪れた試行により、そのアウトプット・成果物による生産性の向上を実感し、積極的に取り入れていく企業。在宅勤務が恒常的になれば、人数分のスペースも必要でなくなり、今より狭いスペースで事足りるようになるかも知れません。

 一方で、緊急事態対策としてネガティブにしか受け止めていない企業は、デメリット部分にばかり目が行き、生産性の上がらない従来型に止まるのではないでしょうか。

 

そう言えば…

ここで少し前を振り返ってみると、「ノンコア業務の外出し」が声高に叫ばれていました。働き方改革の原点()でしょうか。業務の切り出しを行い、社内スタッフはコア業務に集中し、生産性を上げると日々言われたものです。

 この時に業務フローなどを、よく考えて外出しで生産性を上げた企業・組織は、テレワークを上手く利用できている所とニァリーイコールなのではないでしょうか。業務の性質を正しく見極め、それを職場が共有し推進していったからと考えます。

 逆に、やむにやまれずテレワークに踏み切った所は、「つまみ食い」的業務しか在宅などでは行えず、結局週に何日かは、客観的には必然性を感じられない業務のため、出勤しているように見受けられます。「何か外出しでやってもらう仕事はないか」と、単位業務を漁って、時流に乗ったつもりで切り出しした流れに似ていませんか。

 

そしてこれから

テレワークに話を戻しますと、昨今のテレワーク急増に乗っかって好事例紹介や、ツール売り込みの成功事例は、いずれもクリエイティブな業種ばかりで、多くの人が携わっているであろう地道な企画業務の参考にはなりません。

 上手くいっている所は、工夫を加え、益々生産性を上げていくのでしょうが、惜しくもこの機会を活かせなかった企業・組織も、ある程度社会的同調を取ってもらわないと、先進的に進む企業の足かせとなることが懸念されます。

 また、柔軟な働き方と言う意味では、企業やグループのイメージ戦略にも影響してきます。では何から取り組むか。まずは現状の評価をしましょう。時流に乗って、無理やり、渋々、いずれにせよこれまで話に聞いていただけとか、ごく一部の育児ママに限られていたテレワークを多くの人が体験したことは確かです。

 枡が大きくなった分、これまでになかった評価や課題が沢山出てくるものと期待します。テレワークは特別なものではなく、皆さんでの実践を前提に、その中の大きな課題を順につぶしていくべきと考えます。出来るだけ多くの人がテレワークが出来る環境が整ったら、その働き方を前提に設えを考えるでしょう。

 こんなに広いオフィスがこの場所に必要だろうか、働いた時間をどう計測し、どう評価するか等々。無論、通信環境(速度・セキュリティ)の整備や、現法制下では時間管理にソフトを導入するなど、コストを伴う検討も必要ですが。

 テレワーク推奨派の私としては、バラ色の将来に、テレワークありのような書き方になってしまった感がありますが、決して執務室での就業を否定するものではありません。所謂ワイガヤの中から生み出されるものの重要性も認識しています。いや、一旦このようにテレワークが広がった後、面直のコミュニケーションはどこで必要とされるのでしょうか。

 元々携わっていた人事的立場からすると、私個人はone-on-oneではないかと思うのです。複数人のコミュニケーションは今回のテレワーク普及を受け、何らかの工夫が次々と成され改善が進むでしょう。しかし、人の息遣いやちょっとした表情の変化などを感じながら本音をぶつけ合う、そしてベクトルを合わせる、これは最後まで必要と考えます。間口を広げるためにWEB面接が盛んにおこなわれていますが、最後は面直の役員面接が欠かせないのと同じように。

 

最後に

以上、アナログ世代から抜け出せない者の考えで、好きな事を言わせていただきました。Y-Generation以降の皆様から、根本的にココが違うなどのご意見を賜れば、私も認識を変えるきっかけとなりますのでよろしくお願いいたします。


 

【第4回】 「テレワーク&リモートワーク」がもたらす、『未来オフィス』の在り方

                  FOSC副代表理事 岡田 大士郎

FOSC副代表理事 岡田 大士郎氏

SDGs』を考える貴重な時間

新型コロナウイルスが人類に試練を与えています。在宅軟禁状態の中で、毎日メディアから流れてくるコロナニュースに、些か食傷気味となっている方々も多いと思います。私も例に漏れず、メディアから距離を置き、読書や好きな音楽を聴きながら、「思索時間」と「妄想時間」を楽しんでいます。

 

私事ですが、この試練は、何よりも『命』の大切さ、人間の『尊厳』、そして人類レベルでの持続可能なウェルバランス・ソサエティ(幸福社会)の在り方、言い換えれば、今流行りの言葉SDGs』を考える貴重な時間となっています。

 

思索のテーマは様々ですが、今回は、コロナショックがきっかけとなり、急速な進化が予想される「テレワーク」や「リモートワーク」、そして「webイベント・セミナー」など、新しいスタイルでの仕事術や働き方が常態化すると思われる「アフターコロナ」時代の『オフィス』の在り方について考えてみます。

 

「テレワーク」とバーチャルワーキング

47日に「非常事態宣言」が7都府県に発出、その後全国に「非常事態宣言」が拡張適用されて、多くの方々が在宅テレワークでの仕事を余儀なくされています。私自身も日々、Webオンラインによる『価値創造活動』を重ねてゆくにつれ、バーチャルワークの工夫と、Zoomを始めとした便利ツールの使いこなしにより、様々なバリエーションでのWeb仕事術を経験しています。

 

例えば、クリエイティブ空間創造プロジェクトのワークショップを『Zoom×G Suite』で行ってみると、リアルワークショップ以上のオンラインワークショップを運用することが出来ました。また、ゲーミフィケーション要素を織り込み、リアルタイムで双方向性のコミュニケーションができるプレゼンテーションや、ワークショップ運営、そしてミーティングなどが、Zoom×Sparkup×クラウドテックにより実施できることを確認しています。

 

この他、様々なツールの組み合わせと、利用の工夫によりリアルなイベントや打ち合わせに匹敵するバーチャルワークが可能となります。

 

オフィス・トランスフォーメーション

リアルMeetupが制限された中で、バーチャルリモートワークスタイルが急速に進化してゆく先には、『オフィスは必要なのか?』、『オフィスの役割とは?』とのテーマがリアルにクローズアップされてきます。

 

そもそも『オフィス』とは、多くは『仕事場」といった社会常識があり、組織に雇用されている人たちは、『オフィス』に「出社」し、労働法規に定められた規則に則り「就労」(チームメンバーとの協労等)することにより「価値創造活動」を行う場所、との暗黙的合意形成ができていました。

 

一部のフレキシブルな組織では、『オフィス』に出社しなくても働ける「テレワーク」が導入されていましたが、今回のコロナ騒動により、多くの保守的大規模組織まで否応なく「テレワーク」を慫慂される事となりました。中には「テレワーク」環境も整わないまま移行せざるを得ない組織もありましたが、順次環境適応してゆくことになると思われます。

 

アフターコロナに向けて、オフィスの機能や役割がトランスフォームしてゆくことは必然です。デジタルトランスフォーメーションの流れの中で、『オフィス』はバーチャルワーク・テックやセンシング・テック、更にはヒューマンヘルス&ナレッジテックなどの、先進的な技術基盤に支えられた情報空間の「場」になるでしょう。

 

未来のオフィス

では、物理的な『オフィス』は不要となるのでしょうか。私が思う答えは『否』です。リアルオフィス空間の価値は、生身の人間が集い、お互いの息遣いを感じ、ノンバーバルコミュニケーションができる「気(活気、熱気、意気、才気、士気)」や「オーラ」を交信しながら、会える喜びと安心感、そして、人間愛を直接感じられる時空間でのリアルタイム交流の価値です。

 

新たな価値創造やイノベーション誘発に必要なものは『人間の知恵』であり、知恵を相互に共振させて英知を共創してゆく「場」が必要です。『知恵の場』を触発させる「触媒」は、人間相互の熱意を感じられる「リアル空間」であるオフィスと「バーチャルナレッジ空間」の融合です。

 

どれだけバーチャルテックによる情報交流ができたとしても、直接会ってお互いの「想い」や「熱意」そして「気」を交流させるリアルオフィスは不可欠です。対面業務や現場仕事では物理場が必要である事は論を待ちません。ナレッジワーキング領域での『未来オフィス』の価値は「人間がリアルに集える場」としての価値です。

 

私は、アフターコロナの時代、フリーアドレスから、ABWを経て、CBWCreative Based  Workstyle )に適合した『リアルオフィス』の「場」創りが重要となると考えています。CBWを促進させてゆく為の「オフィス」の在り方を考えてゆくのも総務プロフェッショナルの役目と思っています。

以 上

【第3回】テレワーキングの達人、直伝4つのポイント
                            FOSC理事 金 英範   

FOSC理事 金 英範 氏

在宅&テレワーキングの4つのポイント

新型コロナ対策の一環として、多くの企業にて実践を余儀なくされている在宅ワーク。在宅ワークは広い意味ではテレワーキング(どこでも働ける)のひとつの手段でもあり、働く場所が「自宅」の場合を言います。(メディアではテレワーク=在宅、という使い方をしていますがそれはさておき)

 

テレワーキングは政府の働き方改革の推進戦略の流れで、多くの企業でオリンピックに向けた準備期間でもありましたが、今回コロナの影響でその推進プランをはるかに超えたスピード感で「超推進」を余儀なくされている企業も多く、そこで働く社員としてはいきなり在宅、で戸惑っている方も多いのでは!? フリーランスの方々にとっても、相手方から急にVIDEO会議にて業務やサービス納品を求められて、急いでインフラ整備にかかっている方も多いかと思われます。

 

中長期ではこの状況は個人の働き方の選択肢の向上、日本企業の生産性UP効果が間違いなくあり、国全体の生産性がプラスに転じると、私は個人的に思います。ただ一方で、直近のテレワーキング(半ば強引な)推進に戸惑いがあり、成果も人によっては限定的となってしまうのも事実でしょう。

 

その意味で今回のコラムでは、企業の総務ネットワーキングにおけるテレワーク達人達のお話しを参考に、また私も個人的にも3年目になる在宅&テレワーカーの実体験から、成功する「在宅&テレワーキングのポイント」を簡単に整理しました。テレワーキングの達人はすでに多く、それぞれ独自の生活習慣にあったテレワーキング方法があって良いと思いますが、こちらは主に「初心者」の方々向けに整理しておりますので、お役に立てることを祈ります!

在宅&テレワーキングの4つのポイント

ポイント(1)体調管理

ポイント(2)ツール

ポイント(3)ルール

ポイント(4)変化の受容

 

ポイント(1)体調管理

特に通常の通勤ワークライフだと自然に7000歩〜10000歩は稼げるはずが、在宅だと2000歩以下のスマホ表示をみて愕然! こちらよく聞く話でもありますが、50歳を超えた私が在宅ワークで実際に直面した体調変化を具体的に紹介します。

 

l  自宅の狭い机にて長時間作業、体が固まって血流が悪くなり「肩こり」悪化

l  仕事に適さない食事テーブルの椅子(木製やスチール座面)に長く座り「腰」を痛める

l  ラップトップを「やや下目線」で長時間のぞき込み「首」が痛くなる

l  会議の時間が減った分、画面を見る時間がどうしても増えて「目」が疲れる(進行性)

 

以上、肩、腰、首、目へ主にインパクトあり、無策だと遅かれ早かれ4重苦となります。

対策として下記の3つを取り急ぎお勧めします。

 

対策①PCをデスクトップへ変える

特にラップトップ(どうしても目線が下になり頭が下がる)の長時間作業(Video会議も)は在宅ワークでもテレワーク(外部コラボオフィスなど)でも、また会社内でも要注意です。ご存知の方も多いかもしれませんが、人間のアタマはボーリングの球くらいの重さがあると言われます。その重たい球を前に倒して首で長時間支えるのは相当の首への負担。人により個人差ありますが私の場合は1年目くらいで首痛になりました。

 

対策としては、こまめな運動やストレッチなど理想的にはそうなのですが、集中しすぎてしまう人(成果が出る人)ほど、なかなか意識的にそれをするのが難しいですよね。その意味で一番手取り早いのが「デスクトップ」です。在宅を今後長くする可能性がある(将来のご自身のワークライフプラン次第)方は、デスクトップ(昔オフィスにあったような安価なものでも可)を購入し、画面を見る目線を水平またはむしろ上むきにし、背筋を気持ち伸ばして作業をすることをお勧めします。ラップトップをドッキングすれば画面だけデスクトップで表示するタイプのものなど諸々ソリューションあり。大した投資ではないですが長い時間の中で体調(と成果)は断然違ってきます!

 

対策②椅子を「2時間以上座れるタイプ」へ変える

これはいろんなタイプありますが(生活と兼用)、購入の際に店員さんへ確認してみることをお勧めします。それほど高価でなくとも長時間座れる椅子はたくさんあります。大抵のリビングの椅子は1時間もしたらお尻が痛くなりますので、仕事には適しません。

 

対策③ とにかく1日最低7000歩は稼ぐ

アップルウォッチを携帯している場合は8000歩が最低ライン。スマホ計測だとどうしてもマイナス3000歩(自宅内ではスマホを置いて歩く場合が多いので)くらいで5000歩くらいが最低ラインでしょうか。これを意識しないで在宅ワークをやっていると、結構仕事がはかどって自分なりには「仕事頑張ったぜ!」と思って夜にスマホを覗くと、平気で今日は1800歩!なんて愕然する日もあります。

 

これは仕事の成果を出せば出すほど=体調悪化、の悪循環となります。目先はよくても長期では生産性が落ちてしまいますね。コロナの影響で外を歩くのに気を使う立地に住んでおられる方もいるかと思います。朝一番や夜など、人がいないタイミングを狙って40分くらい音楽でも聴きながらぶらぶら歩く(走る必要まったくないです!)だけでも5000歩は簡単に稼げますのでご参考まで!

 

働く=成果を出す=プロのアスリート!(長寿のアスリート)と私は思っております。働き方の選択肢としてテレワーキング、在宅が入ってきたこの時代。頭脳と経験が歳と共に上積みしながらも、一方で体調が劣化してしまってはトータルで成果は落ちるだけですね。体調管理は年とともに、プロの仕事パーソンとしてその必要性が増してきますね。

 

ポイント(2)ツール

TeamsSlack, Zoom, Hangout, 連絡取れるくん、Wherebyなど多々ありますが、その特色と使う場面、仕事内容、相手のニーズによりどう使いこなすか。

 

ポイント(3)ルール

会社のルール、自分のルール、家族のルールの3点セットのマジジメント。会社のルールが整っていても、自分のルール(時間帯、成果管理)、家族のルールが明確でないと長期戦には持ちません。例えば私の場合は「家庭内の洗い物は在宅中は担当」、「昼ごはんつくり担当」など簡単なルーツをつくっています。それだけでいろんな好循環(家庭も含めた成果)が生まれて来ます。

 

ポイント(4)変化の受容

働くダイバーシティと成果の出し方は、皆さん多様です。違っていいんです。在宅やテレワーキングも「一律」でなく「皆違う」ということを理解し、それを受け入れる(インクルージョン)すること。特に会社、チーム上司はその言動、行動に要注意です。チーム状況や勤怠を把握する=成果が出る、ではないです。テレワークは何よりも信頼関係、安心感をいかにつくるか、これが成果を出す一番の鍵です。

 

「テレワーク成果人間(チーム)」へ生まれ変わるには、諸々の変化を受容し、自分の考え方や言動、行動が変わってくることが重要です。この波が去って「やっぱりFace-to-Faceがいいよね」と言うのは当然ですが、それを「全部」と捉えるか、F2Fが適している仕事はこれ、テレワーク、在宅が適しているのはこの仕事、みたいに取捨選択できる人(チーム)になっているか、そこに大きな競争力の違いが出て来るでしょう。

 

皆さんのテレワーキングと在宅ワークが徐々に慣れてくることを応援します!

【第2回】管理総務から戦略総務へと進化のチャンス
                      FOSC副代表理事 豊田健一

FOSC副代表理事 豊田健一
(株式会社月間総務 代表取締役社長)

 

Againstコロナ、Withコロナ、そして、Afterコロナ

現時点(2020427日)では、まだまだ新型コロナウィルスの猛威が止まりません。企業においては、テレワーク、在宅勤務をとにもかくにも実施していることでしょう。このコロナを境に大きく働き方、それをサポートする総務の役割が変わっていくことと考えられます。本コラムでは、コロナを境に、Againstコロナ、Withコロナ、そして、Afterコロナ3フェーズに分け、Afterコロナの世界を予測してみましょう。テレワークがその中心となることは間違いないでしょう。

 

Againstコロナ    いきなり、テレワーク

Withコロナ        なんとか、テレワーク

Afterコロナ        いつも、テレワーク

Beforeコロナ    いつも、オフィス)

 

緊急事態宣言が出されてから、多くの企業でテレワークを、それもいきなり実施することとなりました。結果、個々の家庭のwifi環境がバラバラで、Web会議ができなかったり、多くの従業員がテレワークをして、いきなりサーバーにアクセスしたことにより、回線がパンクした、あるいは、接続しにくくなった。そもそも、ノートパソコンが無い、パソコンにカメラがついていない。買おうにも、もう品切れ。ヘッドセットもない。そんなテレワークができる環境が満足にない状態が多発したようです。

 

また、家庭のリビングの椅子では、長時間座っていると腰が痛くなる。そのためか、腰痛対策グッズが売れているようです。また、「テレワークあるある」ですが、お子さんがいる家では、web会議がままならない。電子レンジを使ったものだから、パソコンもろともブレーカーが落ちた。そもそも、仕事をするスペースなんか取れるはずもない。そんな悲痛な声も届いています。

 

この、いきなりテレワークをしなければならない状態が、Against コロナ、と言われる状態です。

 

そして、試行錯誤をしながら環境を整え、仕事の仕分けもしつつ、安定的にテレワークができる企業は、With コロナ、なんとか、テレワークの状況となります。大企業や、IT企業など、日ごろからテレワークを実践、環境が既に整っている企業は、このWith コロナ状態にあると思われます。

 

この新型コロナウィルス、秋には収束するのか、まだ数年続くのか、さらに強力になって再び現れるのか、神のみぞ知る状態ではありますが、収束した状態、Afterコロナをどんなイメージなのでしょうか。

 

上記で、Afterコロナ、いつもテレワーク、そのように記しました。考えられることは、テレワークありき、という世界が表れるのではないかということです。Afterコロナは、Beforeコロナではありません。Beforeコロナは、オフィスありきの、今までの世界。その世界から、コロナという川を渡り、テレワークありきという川岸から働き方を捉える、そのような世界となっているでしょう。

 

テレワークをすることにより、実際仕事もできたし、会議もできる。通勤の苦痛もないし、外部の方と会議をするのに必要だった移動もない。かなり快適に、生産性高く仕事ができた人も多かったのではないでしょうか。もうオフィスに行く必要はない。交通費を掛け、通勤という時間も掛け、従業員を拘束するというオフィスでの仕事の意味が見直されることになるのではないでしょうか。

 

コストを掛けて仕事をすることになるオフィスでの仕事は、特別な何かがある場合に限られるのではないでしょうか。コスパで考えると、相当高い付加価値が得られるのであればオフィスで集まって仕事をする。そのように、オフィスで働くことはスペシャルなことになるのではないでしょうか。

 

総務もテレワークをしながら考える

そのようなテレワークありきでは、総務もテレワークを実践して、その状態で、どのようにしたら快適に仕事ができるか、実践しながら、働く場(各自の家庭での仕事の場)の環境整備を考えることが大事となります。どうしたらテレワークができるか、ではなく、テレワークを実践した状態で、どうしたら快適に、生産性高く仕事ができるかを考える。先述した、対岸から眺めることが必要となるのです。

 

また、各家庭の働く場の整備に足を踏み込むとなると、プライベートとの切り分けも必要となります。どこまでを会社でサポートするか、早めにしっかりとした判断軸を定めておく。少しでも例外を認めると、そこから崩れていく。働き方の多様性という流れの中で、どこまでを実現してあげられるか、総務の判断が求められるのです。

 

さらに、テレワーク、在宅勤務が常態化すると、「在宅防災」という観点が必要となります。在宅ありきで、社員の安全を守る。これも、どこまでサポートするかという判断が伴います。このように、働く場がテレワークありきになると、このプライベートと仕事との線引きが課題となってくるのです。

 

ピンチをチャンスに。戦略総務へ進化

一方で、総務の仕事も大きく変わらざるを得ません。総務もテレワークをするとなると、仕事の可視化をして、仕事の仕分けが必要になります。オフィスにいたから、なんとなくしていた仕事は、その意味を問い直し、また、テクノロジーでできることは極力そのようにして、BPOも活用するとなると、おそらく、総務メンバーには余裕、リソースが生じることでしょう。

 

この人的リソースを何に使うかが、総務には重く問われてくることになります。結果、考える時間が増えてきます。管理総務から戦略総務へ進化するチャンスとなってくるのです。コロナというピンチが、総務にとっては、戦略総務に進化するチャンスとなって表れてくるのです。

 

そんなAfter コロナをイメージしながら、このWith コロナの時期に、どのように仕掛けるか、先んじて、そんな妄想を始めても良いのではないでしょうか?

 

 

【第1回】荒天に向けて今から行動すべきことは  
                                    FOSC代表理事 小山義朗

 

FOSC代表理事 小山義朗

総務が対応すべき、自然災害リスクとウィルス感染リスク

47日に東京、大阪を含む主要7都市「緊急事態宣言」が発出され、その後、外出自粛や店舗の休業要請が出されました。このような事態に対して企業ではテレワークの推進が叫ばれております。一方、シリコンバレーなど早くからテレワークを導入している海外の先進企業では、コロナ騒動の前まではテレワークが起こす問題点(孤立感、ワーカーホリック症候群など)からテレワークの頻度を減らし出社して社内コミュニケーションをとる必要性を求めてきました。

 

さて、総務業務を掌る皆さんが常に意識しなければならないことがいくつかあります。基本は経営環境が良いときには、「悪くなった時の対応」を準備しておくこと。また、経営環境が悪いときには、「良くなった時の対応」を準備するということです。景気の良し悪しはどこで逆転するか分かりません。今回のCOVID-19コロナ騒ぎのように。

 

企業がリスクマネジメント、BCPBCMを考えるとき、地政学リスク(地域紛争、アフリカの飢餓、米中関係、国境問題、北朝鮮動向等)、自然災害リスク(噴火、地震、津波、風水害、トルネードタッチダウン等)、そしてウィルス感染リスク(SARSMARSH5N1鳥インフル、エボラ、COVID-19)等があります。このうち総務が関与して事前に準備を進めることができるのは、自然災害リスクとウィルス感染リスクへの対応です。

 

困難な時ほど、総務は貢献を意識する

皆さんの会社では、リスク発生時の対応はどこまで進められているのでしょうか。コロナ問題が終息しても、また何時どのような形でウィルスの侵入があるかわかりません。自社のウィルス感染防止マニュアルに自宅での発熱時対応(出社禁止、自宅待機、医療機関への連絡サポート)、社内での発症時(どこに一時隔離するのか、救急車が来れない時、誰がどの車両で医療機関に搬送するか、その車両は隔離搬送仕様にしているか)、リスクのある業務(例えば搬送時の運転手)に対して会社の責任と手厚い手当の支給等々。

 

また、外出自粛8割という目標について、不要不急というKey Wordを改めて意識して総務業務や周辺業務で、本当に必要な業務は何かを見つめなおす良い機会でもあります。月刊総務5月号に掲載された豊田編集長との対談では、戦略総務を進めるには現状把握、俯瞰力、そして創意工夫力が大切なのだと話しました。この困難な時期にこそ、総務が会社のリスクマネジメントに貢献することを考え行動することが必要です。

 

戦略総務として今できる行動は何か? 日ごろから時間が無い、人がいないのでその仕事はできないと言っているあなた! 今こそ、次の準備のために実行してみませんか。

 

半導体不況の時代の経験から

30代後半で国内建設業務を担当していた課長の頃、おりしも半導体不況の波が押し寄せ、国内も海外も工場の建設はすべてストップとなりました。何時まで続くかわからない不況の時代に入ってしまったわけですが、この時の部下たちは仕事が無い不安に駆られ、自分たちはこれからどうなるのだろうかとの思いが募るばかりでした。

 

そんな時、組織の責任者である私から皆に伝えたのは、「心配しないでよい、わたくしは3年分の仕事を皆さんに用意している」。日頃から思っていることや課題解決を今こそ実現に向けて天がくれた時間なのだと。

 

建設予算作成のためのデータベース構築(結果、業務のスピードアップ)・コストの適正化、建築、空調、衛生、電気、弱電、通信、ネットワーク、そしてクリーンルームの適正運転・管理のための技術データの整備(効率的、省エネ、最適化、コストパフォーマンス向上)。

 

半導体製造技術を理解し、効率的な生産に向けてサポートするために、生産活動における純水でのウェハー洗浄回数の適正化シミュレーション、エアフローと換気回数、HEPAフィルター交換時のコンタミネーション防止を考慮した適正設計指針作成等、生産部隊とジョイントしてクリーンルームのあるべき姿を追求。また、ゼネコン、サブコンと共同でフラットケーブルを開発し経産省の特認を得るようなプロジェクトも実践しました。

 

ソニーマーケティング、立ち上げ時の経験から

社員総数6,000人、ソニーマーケティング株式会社の立ち上げ時、総務人員は私を含め二人。それでも、必要案件を次々と経営会議に提案し、オフィスを働きやすくする環境整備、分煙をルール化、地方の販売会社の男女兼用トイレのリニューアルを行い、また社用車においては、割高でもグループ会社に発注していたリース契約を見直し、削減したコストの一部を原資として、安全性向上や役職に応じた車両のグレードアップを実行し、本社から営業所まで働く環境を改善し続けました。

 

その結果、ソニーマーケティングの経営陣から「うちの総務は凄い!」と言われるようになりました。人員補強が不十分な状況下でも、監査役から、「財務部が担当している担保物件の管理を総務でやってもらえないか」、「銀行の貸金庫に預けている債権の管理をコーポレート企画部と一緒にやってもらえないか」との依頼を受け、これを引き受けることになりました。

 

私がソニーマーケティングに在籍したのは会社発足から7ケ月。少人数の総務部は短期間で多くのことを企画・予算化(原資の確保)・承認・実行し高い評価を得ました。会社は発足後一年たった時点での表彰制度を考えていましたが、私が急遽、ソニー本社へ戻ることになり表彰制度が特別に半年評価に変わり、総務部は社長表彰として「スピードマネジメント賞」を受賞したのです。表彰状のあて先は「小山義朗とその仲間たち」でした。

 

戦略総務、期待される総務に向けて今こそ、考え、行動し、結果を出していく良い機会と考えます。いくつかのキーワードが今後の戦略総務の進め方の参考になれば幸いです。

 

コロナに負けず、先を見据えた総務を皆さんと共に!