新企画:『アフターコロナでの戦略総務』コーナー

【第4回】 「テレワーク&リモートワーク」がもたらす、『未来オフィス』の在り方

                  FOSC副代表理事 岡田 大士郎

FOSC副代表理事 岡田 大士郎氏

SDGs』を考える貴重な時間

新型コロナウイルスが人類に試練を与えています。在宅軟禁状態の中で、毎日メディアから流れてくるコロナニュースに、些か食傷気味となっている方々も多いと思います。私も例に漏れず、メディアから距離を置き、読書や好きな音楽を聴きながら、「思索時間」と「妄想時間」を楽しんでいます。

 

私事ですが、この試練は、何よりも『命』の大切さ、人間の『尊厳』、そして人類レベルでの持続可能なウェルバランス・ソサエティ(幸福社会)の在り方、言い換えれば、今流行りの言葉SDGs』を考える貴重な時間となっています。

 

思索のテーマは様々ですが、今回は、コロナショックがきっかけとなり、急速な進化が予想される「テレワーク」や「リモートワーク」、そして「webイベント・セミナー」など、新しいスタイルでの仕事術や働き方が常態化すると思われる「アフターコロナ」時代の『オフィス』の在り方について考えてみます。

 

「テレワーク」とバーチャルワーキング

47日に「非常事態宣言」が7都府県に発出、その後全国に「非常事態宣言」が拡張適用されて、多くの方々が在宅テレワークでの仕事を余儀なくされています。私自身も日々、Webオンラインによる『価値創造活動』を重ねてゆくにつれ、バーチャルワークの工夫と、Zoomを始めとした便利ツールの使いこなしにより、様々なバリエーションでのWeb仕事術を経験しています。

 

例えば、クリエイティブ空間創造プロジェクトのワークショップを『Zoom×G Suite』で行ってみると、リアルワークショップ以上のオンラインワークショップを運用することが出来ました。また、ゲーミフィケーション要素を織り込み、リアルタイムで双方向性のコミュニケーションができるプレゼンテーションや、ワークショップ運営、そしてミーティングなどが、Zoom×Sparkup×クラウドテックにより実施できることを確認しています。

 

この他、様々なツールの組み合わせと、利用の工夫によりリアルなイベントや打ち合わせに匹敵するバーチャルワークが可能となります。

 

オフィス・トランスフォーメーション

リアルMeetupが制限された中で、バーチャルリモートワークスタイルが急速に進化してゆく先には、『オフィスは必要なのか?』、『オフィスの役割とは?』とのテーマがリアルにクローズアップされてきます。

 

そもそも『オフィス』とは、多くは『仕事場」といった社会常識があり、組織に雇用されている人たちは、『オフィス』に「出社」し、労働法規に定められた規則に則り「就労」(チームメンバーとの協労等)することにより「価値創造活動」を行う場所、との暗黙的合意形成ができていました。

 

一部のフレキシブルな組織では、『オフィス』に出社しなくても働ける「テレワーク」が導入されていましたが、今回のコロナ騒動により、多くの保守的大規模組織まで否応なく「テレワーク」を慫慂される事となりました。中には「テレワーク」環境も整わないまま移行せざるを得ない組織もありましたが、順次環境適応してゆくことになると思われます。

 

アフターコロナに向けて、オフィスの機能や役割がトランスフォームしてゆくことは必然です。デジタルトランスフォーメーションの流れの中で、『オフィス』はバーチャルワーク・テックやセンシング・テック、更にはヒューマンヘルス&ナレッジテックなどの、先進的な技術基盤に支えられた情報空間の「場」になるでしょう。

 

未来のオフィス

では、物理的な『オフィス』は不要となるのでしょうか。私が思う答えは『否』です。リアルオフィス空間の価値は、生身の人間が集い、お互いの息遣いを感じ、ノンバーバルコミュニケーションができる「気(活気、熱気、意気、才気、士気)」や「オーラ」を交信しながら、会える喜びと安心感、そして、人間愛を直接感じられる時空間でのリアルタイム交流の価値です。

 

新たな価値創造やイノベーション誘発に必要なものは『人間の知恵』であり、知恵を相互に共振させて英知を共創してゆく「場」が必要です。『知恵の場』を触発させる「触媒」は、人間相互の熱意を感じられる「リアル空間」であるオフィスと「バーチャルナレッジ空間」の融合です。

 

どれだけバーチャルテックによる情報交流ができたとしても、直接会ってお互いの「想い」や「熱意」そして「気」を交流させるリアルオフィスは不可欠です。対面業務や現場仕事では物理場が必要である事は論を待ちません。ナレッジワーキング領域での『未来オフィス』の価値は「人間がリアルに集える場」としての価値です。

 

私は、アフターコロナの時代、フリーアドレスから、ABWを経て、CBWCreative Based  Workstyle )に適合した『リアルオフィス』の「場」創りが重要となると考えています。CBWを促進させてゆく為の「オフィス」の在り方を考えてゆくのも総務プロフェッショナルの役目と思っています。

以 上

【第3回】テレワーキングの達人、直伝4つのポイント
                            FOSC理事 金 英範   

FOSC理事 金 英範 氏

在宅&テレワーキングの4つのポイント

新型コロナ対策の一環として、多くの企業にて実践を余儀なくされている在宅ワーク。在宅ワークは広い意味ではテレワーキング(どこでも働ける)のひとつの手段でもあり、働く場所が「自宅」の場合を言います。(メディアではテレワーク=在宅、という使い方をしていますがそれはさておき)

 

テレワーキングは政府の働き方改革の推進戦略の流れで、多くの企業でオリンピックに向けた準備期間でもありましたが、今回コロナの影響でその推進プランをはるかに超えたスピード感で「超推進」を余儀なくされている企業も多く、そこで働く社員としてはいきなり在宅、で戸惑っている方も多いのでは!? フリーランスの方々にとっても、相手方から急にVIDEO会議にて業務やサービス納品を求められて、急いでインフラ整備にかかっている方も多いかと思われます。

 

中長期ではこの状況は個人の働き方の選択肢の向上、日本企業の生産性UP効果が間違いなくあり、国全体の生産性がプラスに転じると、私は個人的に思います。ただ一方で、直近のテレワーキング(半ば強引な)推進に戸惑いがあり、成果も人によっては限定的となってしまうのも事実でしょう。

 

その意味で今回のコラムでは、企業の総務ネットワーキングにおけるテレワーク達人達のお話しを参考に、また私も個人的にも3年目になる在宅&テレワーカーの実体験から、成功する「在宅&テレワーキングのポイント」を簡単に整理しました。テレワーキングの達人はすでに多く、それぞれ独自の生活習慣にあったテレワーキング方法があって良いと思いますが、こちらは主に「初心者」の方々向けに整理しておりますので、お役に立てることを祈ります!

在宅&テレワーキングの4つのポイント

ポイント(1)体調管理

ポイント(2)ツール

ポイント(3)ルール

ポイント(4)変化の受容

 

ポイント(1)体調管理

特に通常の通勤ワークライフだと自然に7000歩〜10000歩は稼げるはずが、在宅だと2000歩以下のスマホ表示をみて愕然! こちらよく聞く話でもありますが、50歳を超えた私が在宅ワークで実際に直面した体調変化を具体的に紹介します。

 

l  自宅の狭い机にて長時間作業、体が固まって血流が悪くなり「肩こり」悪化

l  仕事に適さない食事テーブルの椅子(木製やスチール座面)に長く座り「腰」を痛める

l  ラップトップを「やや下目線」で長時間のぞき込み「首」が痛くなる

l  会議の時間が減った分、画面を見る時間がどうしても増えて「目」が疲れる(進行性)

 

以上、肩、腰、首、目へ主にインパクトあり、無策だと遅かれ早かれ4重苦となります。

対策として下記の3つを取り急ぎお勧めします。

 

対策①PCをデスクトップへ変える

特にラップトップ(どうしても目線が下になり頭が下がる)の長時間作業(Video会議も)は在宅ワークでもテレワーク(外部コラボオフィスなど)でも、また会社内でも要注意です。ご存知の方も多いかもしれませんが、人間のアタマはボーリングの球くらいの重さがあると言われます。その重たい球を前に倒して首で長時間支えるのは相当の首への負担。人により個人差ありますが私の場合は1年目くらいで首痛になりました。

 

対策としては、こまめな運動やストレッチなど理想的にはそうなのですが、集中しすぎてしまう人(成果が出る人)ほど、なかなか意識的にそれをするのが難しいですよね。その意味で一番手取り早いのが「デスクトップ」です。在宅を今後長くする可能性がある(将来のご自身のワークライフプラン次第)方は、デスクトップ(昔オフィスにあったような安価なものでも可)を購入し、画面を見る目線を水平またはむしろ上むきにし、背筋を気持ち伸ばして作業をすることをお勧めします。ラップトップをドッキングすれば画面だけデスクトップで表示するタイプのものなど諸々ソリューションあり。大した投資ではないですが長い時間の中で体調(と成果)は断然違ってきます!

 

対策②椅子を「2時間以上座れるタイプ」へ変える

これはいろんなタイプありますが(生活と兼用)、購入の際に店員さんへ確認してみることをお勧めします。それほど高価でなくとも長時間座れる椅子はたくさんあります。大抵のリビングの椅子は1時間もしたらお尻が痛くなりますので、仕事には適しません。

 

対策③ とにかく1日最低7000歩は稼ぐ

アップルウォッチを携帯している場合は8000歩が最低ライン。スマホ計測だとどうしてもマイナス3000歩(自宅内ではスマホを置いて歩く場合が多いので)くらいで5000歩くらいが最低ラインでしょうか。これを意識しないで在宅ワークをやっていると、結構仕事がはかどって自分なりには「仕事頑張ったぜ!」と思って夜にスマホを覗くと、平気で今日は1800歩!なんて愕然する日もあります。

 

これは仕事の成果を出せば出すほど=体調悪化、の悪循環となります。目先はよくても長期では生産性が落ちてしまいますね。コロナの影響で外を歩くのに気を使う立地に住んでおられる方もいるかと思います。朝一番や夜など、人がいないタイミングを狙って40分くらい音楽でも聴きながらぶらぶら歩く(走る必要まったくないです!)だけでも5000歩は簡単に稼げますのでご参考まで!

 

働く=成果を出す=プロのアスリート!(長寿のアスリート)と私は思っております。働き方の選択肢としてテレワーキング、在宅が入ってきたこの時代。頭脳と経験が歳と共に上積みしながらも、一方で体調が劣化してしまってはトータルで成果は落ちるだけですね。体調管理は年とともに、プロの仕事パーソンとしてその必要性が増してきますね。

 

ポイント(2)ツール

TeamsSlack, Zoom, Hangout, 連絡取れるくん、Wherebyなど多々ありますが、その特色と使う場面、仕事内容、相手のニーズによりどう使いこなすか。

 

ポイント(3)ルール

会社のルール、自分のルール、家族のルールの3点セットのマジジメント。会社のルールが整っていても、自分のルール(時間帯、成果管理)、家族のルールが明確でないと長期戦には持ちません。例えば私の場合は「家庭内の洗い物は在宅中は担当」、「昼ごはんつくり担当」など簡単なルーツをつくっています。それだけでいろんな好循環(家庭も含めた成果)が生まれて来ます。

 

ポイント(4)変化の受容

働くダイバーシティと成果の出し方は、皆さん多様です。違っていいんです。在宅やテレワーキングも「一律」でなく「皆違う」ということを理解し、それを受け入れる(インクルージョン)すること。特に会社、チーム上司はその言動、行動に要注意です。チーム状況や勤怠を把握する=成果が出る、ではないです。テレワークは何よりも信頼関係、安心感をいかにつくるか、これが成果を出す一番の鍵です。

 

「テレワーク成果人間(チーム)」へ生まれ変わるには、諸々の変化を受容し、自分の考え方や言動、行動が変わってくることが重要です。この波が去って「やっぱりFace-to-Faceがいいよね」と言うのは当然ですが、それを「全部」と捉えるか、F2Fが適している仕事はこれ、テレワーク、在宅が適しているのはこの仕事、みたいに取捨選択できる人(チーム)になっているか、そこに大きな競争力の違いが出て来るでしょう。

 

皆さんのテレワーキングと在宅ワークが徐々に慣れてくることを応援します!

【第2回】管理総務から戦略総務へと進化のチャンス
                      FOSC副代表理事 豊田健一

FOSC副代表理事 豊田健一
(株式会社月間総務 代表取締役社長)

 

Againstコロナ、Withコロナ、そして、Afterコロナ

現時点(2020427日)では、まだまだ新型コロナウィルスの猛威が止まりません。企業においては、テレワーク、在宅勤務をとにもかくにも実施していることでしょう。このコロナを境に大きく働き方、それをサポートする総務の役割が変わっていくことと考えられます。本コラムでは、コロナを境に、Againstコロナ、Withコロナ、そして、Afterコロナ3フェーズに分け、Afterコロナの世界を予測してみましょう。テレワークがその中心となることは間違いないでしょう。

 

Againstコロナ    いきなり、テレワーク

Withコロナ        なんとか、テレワーク

Afterコロナ        いつも、テレワーク

Beforeコロナ    いつも、オフィス)

 

緊急事態宣言が出されてから、多くの企業でテレワークを、それもいきなり実施することとなりました。結果、個々の家庭のwifi環境がバラバラで、Web会議ができなかったり、多くの従業員がテレワークをして、いきなりサーバーにアクセスしたことにより、回線がパンクした、あるいは、接続しにくくなった。そもそも、ノートパソコンが無い、パソコンにカメラがついていない。買おうにも、もう品切れ。ヘッドセットもない。そんなテレワークができる環境が満足にない状態が多発したようです。

 

また、家庭のリビングの椅子では、長時間座っていると腰が痛くなる。そのためか、腰痛対策グッズが売れているようです。また、「テレワークあるある」ですが、お子さんがいる家では、web会議がままならない。電子レンジを使ったものだから、パソコンもろともブレーカーが落ちた。そもそも、仕事をするスペースなんか取れるはずもない。そんな悲痛な声も届いています。

 

この、いきなりテレワークをしなければならない状態が、Against コロナ、と言われる状態です。

 

そして、試行錯誤をしながら環境を整え、仕事の仕分けもしつつ、安定的にテレワークができる企業は、With コロナ、なんとか、テレワークの状況となります。大企業や、IT企業など、日ごろからテレワークを実践、環境が既に整っている企業は、このWith コロナ状態にあると思われます。

 

この新型コロナウィルス、秋には収束するのか、まだ数年続くのか、さらに強力になって再び現れるのか、神のみぞ知る状態ではありますが、収束した状態、Afterコロナをどんなイメージなのでしょうか。

 

上記で、Afterコロナ、いつもテレワーク、そのように記しました。考えられることは、テレワークありき、という世界が表れるのではないかということです。Afterコロナは、Beforeコロナではありません。Beforeコロナは、オフィスありきの、今までの世界。その世界から、コロナという川を渡り、テレワークありきという川岸から働き方を捉える、そのような世界となっているでしょう。

 

テレワークをすることにより、実際仕事もできたし、会議もできる。通勤の苦痛もないし、外部の方と会議をするのに必要だった移動もない。かなり快適に、生産性高く仕事ができた人も多かったのではないでしょうか。もうオフィスに行く必要はない。交通費を掛け、通勤という時間も掛け、従業員を拘束するというオフィスでの仕事の意味が見直されることになるのではないでしょうか。

 

コストを掛けて仕事をすることになるオフィスでの仕事は、特別な何かがある場合に限られるのではないでしょうか。コスパで考えると、相当高い付加価値が得られるのであればオフィスで集まって仕事をする。そのように、オフィスで働くことはスペシャルなことになるのではないでしょうか。

 

総務もテレワークをしながら考える

そのようなテレワークありきでは、総務もテレワークを実践して、その状態で、どのようにしたら快適に仕事ができるか、実践しながら、働く場(各自の家庭での仕事の場)の環境整備を考えることが大事となります。どうしたらテレワークができるか、ではなく、テレワークを実践した状態で、どうしたら快適に、生産性高く仕事ができるかを考える。先述した、対岸から眺めることが必要となるのです。

 

また、各家庭の働く場の整備に足を踏み込むとなると、プライベートとの切り分けも必要となります。どこまでを会社でサポートするか、早めにしっかりとした判断軸を定めておく。少しでも例外を認めると、そこから崩れていく。働き方の多様性という流れの中で、どこまでを実現してあげられるか、総務の判断が求められるのです。

 

さらに、テレワーク、在宅勤務が常態化すると、「在宅防災」という観点が必要となります。在宅ありきで、社員の安全を守る。これも、どこまでサポートするかという判断が伴います。このように、働く場がテレワークありきになると、このプライベートと仕事との線引きが課題となってくるのです。

 

ピンチをチャンスに。戦略総務へ進化

一方で、総務の仕事も大きく変わらざるを得ません。総務もテレワークをするとなると、仕事の可視化をして、仕事の仕分けが必要になります。オフィスにいたから、なんとなくしていた仕事は、その意味を問い直し、また、テクノロジーでできることは極力そのようにして、BPOも活用するとなると、おそらく、総務メンバーには余裕、リソースが生じることでしょう。

 

この人的リソースを何に使うかが、総務には重く問われてくることになります。結果、考える時間が増えてきます。管理総務から戦略総務へ進化するチャンスとなってくるのです。コロナというピンチが、総務にとっては、戦略総務に進化するチャンスとなって表れてくるのです。

 

そんなAfter コロナをイメージしながら、このWith コロナの時期に、どのように仕掛けるか、先んじて、そんな妄想を始めても良いのではないでしょうか?

 

 

【第1回】荒天に向けて今から行動すべきことは  
                                    FOSC代表理事 小山義朗

 

FOSC代表理事 小山義朗

総務が対応すべき、自然災害リスクとウィルス感染リスク

47日に東京、大阪を含む主要7都市「緊急事態宣言」が発出され、その後、外出自粛や店舗の休業要請が出されました。このような事態に対して企業ではテレワークの推進が叫ばれております。一方、シリコンバレーなど早くからテレワークを導入している海外の先進企業では、コロナ騒動の前まではテレワークが起こす問題点(孤立感、ワーカーホリック症候群など)からテレワークの頻度を減らし出社して社内コミュニケーションをとる必要性を求めてきました。

 

さて、総務業務を掌る皆さんが常に意識しなければならないことがいくつかあります。基本は経営環境が良いときには、「悪くなった時の対応」を準備しておくこと。また、経営環境が悪いときには、「良くなった時の対応」を準備するということです。景気の良し悪しはどこで逆転するか分かりません。今回のCOVID-19コロナ騒ぎのように。

 

企業がリスクマネジメント、BCPBCMを考えるとき、地政学リスク(地域紛争、アフリカの飢餓、米中関係、国境問題、北朝鮮動向等)、自然災害リスク(噴火、地震、津波、風水害、トルネードタッチダウン等)、そしてウィルス感染リスク(SARSMARSH5N1鳥インフル、エボラ、COVID-19)等があります。このうち総務が関与して事前に準備を進めることができるのは、自然災害リスクとウィルス感染リスクへの対応です。

 

困難な時ほど、総務は貢献を意識する

皆さんの会社では、リスク発生時の対応はどこまで進められているのでしょうか。コロナ問題が終息しても、また何時どのような形でウィルスの侵入があるかわかりません。自社のウィルス感染防止マニュアルに自宅での発熱時対応(出社禁止、自宅待機、医療機関への連絡サポート)、社内での発症時(どこに一時隔離するのか、救急車が来れない時、誰がどの車両で医療機関に搬送するか、その車両は隔離搬送仕様にしているか)、リスクのある業務(例えば搬送時の運転手)に対して会社の責任と手厚い手当の支給等々。

 

また、外出自粛8割という目標について、不要不急というKey Wordを改めて意識して総務業務や周辺業務で、本当に必要な業務は何かを見つめなおす良い機会でもあります。月刊総務5月号に掲載された豊田編集長との対談では、戦略総務を進めるには現状把握、俯瞰力、そして創意工夫力が大切なのだと話しました。この困難な時期にこそ、総務が会社のリスクマネジメントに貢献することを考え行動することが必要です。

 

戦略総務として今できる行動は何か? 日ごろから時間が無い、人がいないのでその仕事はできないと言っているあなた! 今こそ、次の準備のために実行してみませんか。

 

半導体不況の時代の経験から

30代後半で国内建設業務を担当していた課長の頃、おりしも半導体不況の波が押し寄せ、国内も海外も工場の建設はすべてストップとなりました。何時まで続くかわからない不況の時代に入ってしまったわけですが、この時の部下たちは仕事が無い不安に駆られ、自分たちはこれからどうなるのだろうかとの思いが募るばかりでした。

 

そんな時、組織の責任者である私から皆に伝えたのは、「心配しないでよい、わたくしは3年分の仕事を皆さんに用意している」。日頃から思っていることや課題解決を今こそ実現に向けて天がくれた時間なのだと。

 

建設予算作成のためのデータベース構築(結果、業務のスピードアップ)・コストの適正化、建築、空調、衛生、電気、弱電、通信、ネットワーク、そしてクリーンルームの適正運転・管理のための技術データの整備(効率的、省エネ、最適化、コストパフォーマンス向上)。

 

半導体製造技術を理解し、効率的な生産に向けてサポートするために、生産活動における純水でのウェハー洗浄回数の適正化シミュレーション、エアフローと換気回数、HEPAフィルター交換時のコンタミネーション防止を考慮した適正設計指針作成等、生産部隊とジョイントしてクリーンルームのあるべき姿を追求。また、ゼネコン、サブコンと共同でフラットケーブルを開発し経産省の特認を得るようなプロジェクトも実践しました。

 

ソニーマーケティング、立ち上げ時の経験から

社員総数6,000人、ソニーマーケティング株式会社の立ち上げ時、総務人員は私を含め二人。それでも、必要案件を次々と経営会議に提案し、オフィスを働きやすくする環境整備、分煙をルール化、地方の販売会社の男女兼用トイレのリニューアルを行い、また社用車においては、割高でもグループ会社に発注していたリース契約を見直し、削減したコストの一部を原資として、安全性向上や役職に応じた車両のグレードアップを実行し、本社から営業所まで働く環境を改善し続けました。

 

その結果、ソニーマーケティングの経営陣から「うちの総務は凄い!」と言われるようになりました。人員補強が不十分な状況下でも、監査役から、「財務部が担当している担保物件の管理を総務でやってもらえないか」、「銀行の貸金庫に預けている債権の管理をコーポレート企画部と一緒にやってもらえないか」との依頼を受け、これを引き受けることになりました。

 

私がソニーマーケティングに在籍したのは会社発足から7ケ月。少人数の総務部は短期間で多くのことを企画・予算化(原資の確保)・承認・実行し高い評価を得ました。会社は発足後一年たった時点での表彰制度を考えていましたが、私が急遽、ソニー本社へ戻ることになり表彰制度が特別に半年評価に変わり、総務部は社長表彰として「スピードマネジメント賞」を受賞したのです。表彰状のあて先は「小山義朗とその仲間たち」でした。

 

戦略総務、期待される総務に向けて今こそ、考え、行動し、結果を出していく良い機会と考えます。いくつかのキーワードが今後の戦略総務の進め方の参考になれば幸いです。

 

コロナに負けず、先を見据えた総務を皆さんと共に!