【総務FM塾】No9 社員力を高める人材育成術

社員力を高める人材育成術

社員力とは、組織を構成する人ひとり一人の「個」の能力の総和です。
私は、組織における労働力原単位である役職社員の「個力」を顕在化させ、また最大化してゆく「場」創りを総務FM部門が担うべきとの考えています。

また、総務FM部門は、場創りのみならず、人創りを念頭に置いて、質の高い組織を、そして創造的な企業風土を創り出す使命を担っています。

一方、こうした知識労働者の精神的組織基盤構築と並行して、人事部的な視点で「人材育成」の考え方と具体的手法について考えてみます。

まずは「人材育成」の考え方を概括してみましょう。
以下「日本の人事部」サイトからの抜粋です。

-QUOTE-

【人材育成の目的】
人材育成は、企業経営の根幹にかかわるテーマである。能力の開発を行い、人材の成長によって経営理念の実現、企業業績の向上を目指していくことが、企業の大きな目的があることは今も昔も変わりない。一方、従業員は自分の能力が高まることによって成長を実感し、昇格・昇進や報酬の上昇に結び付くものと期待する。このように人材育成は、企業と従業員の双方が将来的にメリットを受けることを期待して行われる。

問題は、今行われている研修や施策が従業員の能力開発や、経営理念の実現、企業業績の向上に本当につながっているのか、ということである。その点についての「検証」が十分にできていない企業は多いのではないか。企業が成長している時に問われることは少ないが、経営を取り巻く環境が一段と厳しくなった現在、改めてその点が注目されている。

【人材育成の方針】
人材育成は企業の戦略に則った形で進めなくてはならない。今、経営が求めているのは、戦略の実現に向けて活動している現場の変化に対応し、効果的・効率的に推進していくことができる実践的な人材の育成である。

【目指す方向性と人材育成体系の構築】
日本企業の強みは「個の力」を集めた「組織力」にある。厳しい経営環境の中にあって、いかに効率よく人材に投資し、経営に貢献する人材を育てていくか。このことが、これからの日本企業の生き残りに関わってくる。

そのためには、自社の人材育成の目指す方向性(求める人材像)を示し、それを実現するプランを立てなければならない。大切なのは、経営計画と連動した人材育成体系を構築し、その中での重要度、緊急度を考えながら、事業ニーズに応えていくための施策・研修メニューへと落とし込んでいくことである。同時に、受講する従業員にとっても動機づけとなり、魅力あるものにしていくことが求められる。

-UNQUOTE-

人材育成の重要性は誰もが認識しています。
この「日本の人事部」サイトから引用した人材育成論は、日本の組織で常識的なものではないでしょうか。
但し、この中で指摘されている【問題は、今行われている研修や施策が従業員の能力開発や、経営理念の実現、企業業績の向上に本当につながっているのか、ということである。その点についての「検証」が十分にできていない企業は多いのではないか。】という点です。

「人材育成」は人事部仕事!との思い込みや誤解をしているように感じる事があります。確かに人材育成は「研修」や現場でのOJTを軸に、企業側の論理や思いを社職員に伝えてゆく教育行為であり、人事部がイニシアチブを取りながら推進してゆく側面があります。

但し、社員の社会人としての成熟度や想いを考慮しないで進めると、社員にとっては、忙しい仕事スケジュールを調整して研修に参加させられた感….つまり、「なんでこんなに忙しい時に研修なんだ!やってられない…」と思うのが人情ではないでしょうか。
社員の意識が変わらないと、実態はこうした状況になります。

「人材育成」には、手段としての研修や知識習得だけではなく、社員の意識改革と組織の風土変革と併せて推進してゆく事が重要です。

単なる研修・セミナーに参加させるだけでは人材育成にはなりません。
知識を詰め込む指導法だけでも一人は育ちません。
やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動きません。また、話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育ちません。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、組織に沿った育成にはならないのです。
マネジャー等、管理職階に就いている人は、チームメンバーを育成することは労力、時間、精神力が必要であり、指導する側の人間力が問われる最も難易度の高いミッションである事を理解しなくてはなりません。