総務FM塾バックナンバー

新連載!【総務FM塾 No1】 プロフェッショナルとアマチュア

新シリーズ【総務FM塾】をスタートします。

総務プロに必要な「知識経営と場創り」「人間力改革」のテーマで私の考えを綴ってゆきます。

今回はプロフェッショナル仕事人としての意識の持ち方です。
プロフェッショナルとは価値創造者。
創造された価値は人々の心を豊かにし社会に貢献します。
この価値創造の対価として正当な報酬を得るのがプロフェッショナルです。

アマチュアは自己の楽しみや満足を目的とした趣味の活動者。
社会への影響力を持つ趣味活動もありますが対価(報酬)を期待するものではありません。

私達仕事人は、仕事の対価として報酬を得て生活をしています。
報酬を得ているということは、プロフェッショナルであり価値創造者であらねばなりません。

私達仕事人は、世代差や経験差そして組織内のヒエラルキーに関わらずプロフェッショナル意識を持つ事が大切です。

この意識が欠除していたり薄れてくると、創造する価値額と報酬がアンバランスになり、組織にとっても個人にとっても不幸な事態になります。

私達は、仕事人である以上プロフェッショナル意識を忘れずに日々精進してゆく事が大切です。

プロフェッショナルは「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」と分類される場合があります。
また、「スペシャリスト」は経験値と熟練度によりエキスパートと呼ばれる人々がいます。
次回以降、これらプロフェッショナルの仕事価値創造について考えてみたいと思います。

【総務FM塾 No2】ジェネラル スペシャリスト!

総務FMプロフェッショナル仕事人は、複数の専門領域を持つ専門家「ジェネラル スペシャリスト」として文系・理系融合型のプロフェッショナルを目指すべし! と思います。

世間では「スペシャリスト」は特定分野の専門家(弁護士、会計士、建築士、医師、プロスポーツ等)として、尊敬の眼差しで見られますが「ジェネラリスト」は分野を限定しない広範囲な知識・技術・経験を持つ職業人とされているものの、尊敬の対象にはなりません。
要は、「ジェネラリスト」とは何かがよく判らないからです。

“若者よスペシャリストを目指せ!”的なキャッチを時々目にします。
あたかも、「スペシャリストこそがプロフェッショナル」と言わんばかりです。

私は、ジェネラリストとは「複数の専門的な業務分野を極めた組織マネジメントのスペシャリスト」と思っています。

総務FM人のキャリアデザインの一つとして、複数の特定専門分野(例えば、建築とファイナンスとIT、デザインと法務とマーケティング..etc)を経験し、文系出身出身は理系領域を、そして理系出身者は文系領域のセンスを身につけた文理融合型のマルチスペシャリストを目指すことで、自分の市場価値を高められると思います。

マルチキャリアを活かして組織や「場」のプロデュースを手掛け経営に貢献する仕事は、日本の社会ではあまり例がありませんが、私は、総務FM部門がこのダイナミックな仕事を担うべきと考えています。

【総務FM塾 No3 】 FMエキスパートへの道 心得編

ジェネラル スペシャリストとして総務FM人が目指すゴールは、エキスパートプロフェッショナルです。

勝負の世界には「プロ中のプロ」と言われるエキスパートプロがいます。
彼らは天賦の才能に恵まれた人々ではありますが、共通しているは「弛まぬ努力」と「持続力」です。
一過性のものではなく、高いレベルを維持継続して結果を残してきています。

私は、分野の違いはあれども、我々総務FM人もエキスパート(卓越した仕事人)プロフェッショナルを目指して日々精進することが大切だと思っています。

しかしながら、そうは思ってもどうすれば良いのかが悩ましい問題です。
具体的な自己成長の方法とコツを伝授しましょう!

まずは、プロフェッショナル仕事人として心構え

【心構え20箇条】
・謙虚に
・正直に
・誠意を持って
・威張らず
・驕らず
・相手を見下さず
・思い込まず
・騙さず
・感情を現わし過ぎず
・思いやりを持って
・感謝の気持ちを忘れず
・気配りを忘れず
・朗らかに
・情熱を持って
・笑顔で
・努力を惜しまず
・悔いず
・失敗を恐れず
・頑張り過ぎず
・誇りと信念を持って

そしてエキスパート能力を磨くのに大切な「力」とは、

1.知力
2.観察力
3.創造力
4.持続力
そして、最も大切なもの! それは
5.人間力

其々の力の内容と重要性は次回以降に。

【総務FM塾 No4 】 FMエキスパートへの道 能力・コンピテンシー編 <人間力>

組織で働く人は、組織人として相互に協和し、集団共和をはかりながら組織価値を向上してゆかねばなりません。

人間集団社会では、ヒエラルキーに基づく「権限」で組織が統制されますが、そこで働く人々の想いや意欲を掻き立てるには、リーダーシップをとる者の「人間力」です。

トップマネジメントのリーダーシップ、ミドルマネジメントのリーダーシップ、そしてチームやグループ内のリーダーシップ…其々のヒエラルキーにおける旗振り役は、他者に優越した知力、経験値、スキル、品格そして人々の心を動かす力である「人間力」*が求められます。

 

要は、人間力とは、人間のあらゆる能力のうちの本質的部分、すなわち人間の本質力であり、「相手の心をうごかす能力・魅力」です。

人間力は習得するものではなく高めてゆくものです。
【心得編】で述べた人格力を意識し、自己力を高め、利他的で人の気持ちや想いを感じる感性を磨きながら、仕事力をも高めるべく努力を重ねてゆく事が大切です。

総務FMは、組織のシャドーマネジメント部門として、組織で働く人々の想いを受け止めながら、組織を支え発展させてゆくミッションを担っています。
総務FM人にとっても「人間力」は仕事力を高めてゆくの不可欠な能力であり、常に向上させてゆかねばなりません。

【総務FM塾】No5 FMエキスパートへの道 能力・コンピテンシー編 <知力の習得法>

<知力の習得法>

プロフェッショナル総務人・FM’erへの道。自分の能力たるコンピテンシーの磨き方です。

まず、全ての知の基盤を支える「知力」の習得法です。

知力は、記憶量に比例するものではなく、思考量に支えられて開花する力です。

思考のベースとなる知識の品質レベルを上げておく事は必要ですが、闇雲な記憶増量勉強法は意味がありません。
受験勉強とは違う勉強法を身につける事が必要です。

仕事が忙しく時間が無い!との声を聞きますが、早朝、毎日の通勤時、昼休み、風呂場….etc 工夫次第で時間は作れます。
この時間を使い、新聞(日経、讀賣、朝日、毎日、産経、東京..etc)やネットニュースを眺めて感じる習慣を作りましょう。また、興味あるジャンルの本を読む事も良いでしょう。

新聞・ニュースを読むのは時間もかかり苦痛ですが、情報を拾う感覚で眺め、目に入ってくる情報を知識に変換する思考法を身につける訓練をしましょう。
デジタル版を使えば複数新聞を眺める事も簡単にできますし、ネットニュースはNewsPicks、SmartNews、Yahoo…etcと様々なソースがあります。

新聞・ネットメディア等のメディアを使い世の中の動きを感じたら、それら事象が何故起きたのかを思考してみましょう。
報道される内容を鵜呑みにするのではなく、自分の言葉に替えて整理してみる訓練も知力を高められます。

本の読み方にも知力向上法があります。
ビジネス本や知識本の場合、まずは目次を熟読します。著者の意図とその本のエッセンスが目次に凝縮されています。
各ページを斜め読みする前に、目次を読み込む事で時間を有効に使いながら相当の情報量を知識に変換する事ができます。

そして知力向上の切り札は、インターネット情報の活用による知識習得です。
ただし、玉石混交の情報の海であるネットの利用には、上質な情報選別の目を養う事が前提となります。
新聞・ニュースや本に触れる日常を習慣化し、自分より勝る知力を持つ他者との積極的な交流を行ない、思考術を訓練してゆけば、自然に上質の情報を集める事が出来るようになります。

上質な情報から智識を得、ロジカルな思考プロセスを習得する事により知力は高まってゆきます。

知力のゴールはありません。
知力は、自分の仕事人としてのキャリア階段を昇りながらスパイラルアップさせてゆくものです。

次回は「観察力」の習得法です。

【総務FM塾】No6 FMエキスパートへの道 能力・コンピテンシー編 <観察力の習得法>

総務FM人が、組織社会で行動し価値創造に貢献してゆく上で、「観察力」を養うことが重要です。

観察力とは、広辞苑によれば「物事の実態を理解すべくよく注意して詳しく見ること。見極めること」とあります。

観察力を高めるには、状況観察、人間観察、自己観察 何れに於いても、まずは、事象や行動に対する興味や関心を持つ事、そして、”観よう”と意識し、感じる事が新たな気付きを誘発させ、物事や他者及び自己を様々な視点から客観的に観察出来るようになります。
観察力が養われてくると、必ず何かに気付き、疑問が湧いてきます。
その疑問を解く意識があれば、更に深くを観る為に、事象・行動を”分析”する行為を自然に行なえる習慣が身についてきます。
分析とは「ある物事を分解して、それを成立させているもろもろの成分・要素・側面を明らかにすること」です。
物事の本質を観るのに不可欠な行為であり、眼力だけでなく科学的手法や道具を使い”観る”事も有効です。


事象や組織行動、そして働く人々の想いや価値観差を”分析”し本質を追求する過程で知力も養わます。単なる知識ではなく知恵を使う事も必要となるからです。
仕事人、そして総務FMを担うプロフェッショナルである私達は、観察力を磨き感性を高める努力を惜しんではなりません。

【総務FM塾】No7 FMエキスパートへの道 能力・コンピテンシー編 <創造力の習得法>

今回は創造力の習得法を考えてみます。

まず認識すべき点は、創造力は天賦の才能ではなく、後天的に高めてゆける能力であるということです。
創造力は、レオナルド・ダ、ヴィンチ、ミケランジェロ、ニュートン、アインシュタイン、エジソン…といった天才と呼ばれる人達の占有物ではありません。
また、「創造力」は、研究開発職や設計デザイン職、そしてゲームクリエイターを始めとするクリエイティブ・アーチスト等だけに求められる能力..と思われていたりしますが、これも間違いです!

創造力は、全ての仕事人に不可欠な能力であり、職種・職務に関係なく習得でき、また、磨き上げる事ができる能力です。総務FM職に於いても然りです。
創造力とは、「知力」と「観察力」(前ブログ参照下さい)をベースとした連想力とその応用から生まれる能力であり、既往の概念や事象を視点を変えて観たり、真似てみる事が起点となります。

然し乍ら、単に真似るだけでは「模倣」になります。既存物や事象のコンセプトを「参考」にしながら色々と「連想」したり、時には「妄想」する事で、オリジナルとは異なる改善・改革・変革のアイデアを考え尽くすプロセスが「創造力」を高めてくれます。

企業活動や組織・集団運営では、常に改善、改革、変革を意識しておくことが求められますが、こうした、「昨日より今日、今日より明日をより良い組織社会に変えてゆこう」と思う意思が「創造力」を育みます。

【総務FM塾】No8  知識資産マネジメント

企業活動において情報力格差は、企業競争力の優劣に影響を与えます。
知識経済社会において、高品質情報を如何に企業価値創造に使う基盤と仕組みを創りあげるかが、企業にとって重要課題のひとつです。

ネットワーク社会では玉石混交の情報が溢れており、低品質で信頼の出来ない物も多く、また、無機質で単なるデータにしか過ぎないものもあります。

高品質情報収集の仕組みとフィルタリング手法を構築し、それらを、組織知としてストック資産化し「知識資産」としてマネジメントしてゆく事が大切です。

私は、情報資産の管理、更には、知識資産マネジメントに関しては、文書管理(従来は保存保管的な業務を意味していましたが) を担う総務部門の業務と考えています。
もちろん、ITを活用した管理手法は情報システム部門との連携が不可欠です。

例えば、ナレッジワーカーが、価値創造活動で必要とされる情報を、直ちに引出す事が出来る仕掛け創りには、最先端のAI検索エンジンが必要となります。

世の中のベンチャー技術の潮流にアンテナを向け、最先端の情報・知識資産マネジメントツールをIT部門と連携して検証する事も必要です。

また、社内の個人知を組織知に変換させる仕掛け創りも重要です。
コーポレートポータルの戦略的な活用や、社内SNSの導入と有効利用、そして、粘り強く地道な社員啓蒙活動(これが一番大変ですが大切です)を続け意識改革を進める事です。

社内知識資産の一元管理・運用の工夫により、組織知活性化の基盤構築を創りあげれば企業の知的生産性は格段に向上するはずです。

総務部門は、これらの時代「知識資産マネジメント」にも深く関与してゆくべきと考えています。

【総務FM塾】No9 社員力を高める人材育成術

社員力を高める人材育成術

社員力とは、組織を構成する人ひとり一人の「個」の能力の総和です。
私は、組織における労働力原単位である役職社員の「個力」を顕在化させ、また最大化してゆく「場」創りを総務FM部門が担うべきとの考えています。

また、総務FM部門は、場創りのみならず、人創りを念頭に置いて、質の高い組織を、そして創造的な企業風土を創り出す使命を担っています。

一方、こうした知識労働者の精神的組織基盤構築と並行して、人事部的な視点で「人材育成」の考え方と具体的手法について考えてみます。

まずは「人材育成」の考え方を概括してみましょう。
以下「日本の人事部」サイトからの抜粋です。

-QUOTE-

【人材育成の目的】
人材育成は、企業経営の根幹にかかわるテーマである。能力の開発を行い、人材の成長によって経営理念の実現、企業業績の向上を目指していくことが、企業の大きな目的があることは今も昔も変わりない。一方、従業員は自分の能力が高まることによって成長を実感し、昇格・昇進や報酬の上昇に結び付くものと期待する。このように人材育成は、企業と従業員の双方が将来的にメリットを受けることを期待して行われる。

問題は、今行われている研修や施策が従業員の能力開発や、経営理念の実現、企業業績の向上に本当につながっているのか、ということである。その点についての「検証」が十分にできていない企業は多いのではないか。企業が成長している時に問われることは少ないが、経営を取り巻く環境が一段と厳しくなった現在、改めてその点が注目されている。

【人材育成の方針】
人材育成は企業の戦略に則った形で進めなくてはならない。今、経営が求めているのは、戦略の実現に向けて活動している現場の変化に対応し、効果的・効率的に推進していくことができる実践的な人材の育成である。

【目指す方向性と人材育成体系の構築】
日本企業の強みは「個の力」を集めた「組織力」にある。厳しい経営環境の中にあって、いかに効率よく人材に投資し、経営に貢献する人材を育てていくか。このことが、これからの日本企業の生き残りに関わってくる。

そのためには、自社の人材育成の目指す方向性(求める人材像)を示し、それを実現するプランを立てなければならない。大切なのは、経営計画と連動した人材育成体系を構築し、その中での重要度、緊急度を考えながら、事業ニーズに応えていくための施策・研修メニューへと落とし込んでいくことである。同時に、受講する従業員にとっても動機づけとなり、魅力あるものにしていくことが求められる。

-UNQUOTE-

人材育成の重要性は誰もが認識しています。
この「日本の人事部」サイトから引用した人材育成論は、日本の組織で常識的なものではないでしょうか。
但し、この中で指摘されている【問題は、今行われている研修や施策が従業員の能力開発や、経営理念の実現、企業業績の向上に本当につながっているのか、ということである。その点についての「検証」が十分にできていない企業は多いのではないか。】という点です。

「人材育成」は人事部仕事!との思い込みや誤解をしているように感じる事があります。確かに人材育成は「研修」や現場でのOJTを軸に、企業側の論理や思いを社職員に伝えてゆく教育行為であり、人事部がイニシアチブを取りながら推進してゆく側面があります。

但し、社員の社会人としての成熟度や想いを考慮しないで進めると、社員にとっては、忙しい仕事スケジュールを調整して研修に参加させられた感….つまり、「なんでこんなに忙しい時に研修なんだ!やってられない…」と思うのが人情ではないでしょうか。
社員の意識が変わらないと、実態はこうした状況になります。

「人材育成」には、手段としての研修や知識習得だけではなく、社員の意識改革と組織の風土変革と併せて推進してゆく事が重要です。

単なる研修・セミナーに参加させるだけでは人材育成にはなりません。
知識を詰め込む指導法だけでも一人は育ちません。
やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動きません。また、話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育ちません。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、組織に沿った育成にはならないのです。
マネジャー等、管理職階に就いている人は、チームメンバーを育成することは労力、時間、精神力が必要であり、指導する側の人間力が問われる最も難易度の高いミッションである事を理解しなくてはなりません。